美女

白昼、ぼくは裏通りの小道を歩いていた。
この道幅2~3mの細い道。
車一台やっと通れる抜け道。

ぼくの前から80代だろうかよたよたと杖もなく歩いてくる小柄な男性。
素足でしかもサンダル履き。
ぼくはその男性をじっとみていた。
気をつけて渡ってくれよ。
と、思いながら。
そこにたまたま通った30から40代と思われる女性。
その女性に向かい男性はいきなり道の真ん中で立ち止まり。
「かわいいな。」
と声をかけていた。
確かに80代と思われるこの男性からみればこの女性は子供のようなものだ。

あ、向こうから車が来る。

その男性はいっこうに歩きだそうとしない。
女性とぼくとで
「危ないです。早く渡りましょう。」
という。
人生経験が豊富なここ男性は
「ダイジョブだー。」
と立ち止まったまま言っている。
おいおい困った、困ったと思いながらその女性とぼくは男性が道路をわたり終わるまで見届けた。

車とこの小柄な男性がぶつかることはなかった。
事故にはならなかった。
周りを見てしっかり歩いてよ。
ぼくはこの男性に言いたかった。

 

 

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