人間
肩幅が異様に大きくアンバランスな格好で階段を上がって来た黒いひと。
ぼくは階段の上からじっと見ていた。
ぼくは声をかけられた。
初めて会う不思議な人間だった。
黒いひと
黒いひとなど避けるぼくに。
その黒いひとは流暢な日本語で、人は皆同じと、ぼくに言ってきた。
どんな身分の高い人、大統領でも乞食でもトイレに行って用をたす。だからみんなおんなじだと。
その感覚にぼくは驚かされた。こんなことを初対面のぼくにはなす日本の人はいるだろうか。
別の日
別の日も、別の日も,その階段へ行く。でも
また、こんな会話をしてみたい。