カオナシとぼく
誰かが階段の下で首を長く伸ばし右をキョロキョロ、左をキョロキョロ。何かを探すように。まるで千と千尋の神隠しのカオナシのように。そして階段を上ってきた。ぼくは階段をいつものようにふらふらっと降りる。すれ違い様に『よっ、viento!!』と声をかけられた。むろんぼくも『よっ!!』と返した。
ひと
巷にいる女性は背中を反り返し、男性は猫背。そして年寄りたちは、くの時になり首を持ち上げ歩いている。脚はその姿勢の悪さを支えるために無理をする。その結果歩幅は狭くなり筋力が落ちスピードが落ち。
ボケ老人たちは歩幅が狭いと聞いたことがある。現代人は、自分で自分のことをボケ老人の道に突き進ませているのか。